精神疾患
精神疾患とは、脳の機能的な障害や器質的な問題によって生じる病気の総称です。
遺伝子要因とストレス・身体疾患などの環境要因が複雑に関与して発症すると考えられる、心の病です。
大きな目安としては
1級:症状のため「寝たきりの状態」の方
2級:症状のため、「ベッド周りでの生活」の方
3級:症状のため、「生活および就労に著しい制限がかかっている」方
が障害年金に該当します。
詳しくは、厚生労働省により策定され、平成28年9月より実施されている
「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」
をご覧ください。
また日常生活状況や周りの援助などでも基準が変わりますので、ご自身が年金の対象か気になる方はご連絡ください。
うつ病
うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なるなど、さまざまな原因で発症します。
眠れない、食欲がない、一日中気分が落ち込む、何をしても楽しめない、といった症状が起きます。
否定的な考え方に陥って、自分がダメな人間だと感じてしまいがちです。
そのため、普段なら乗り越えられるストレスでも、より辛く感じられるという悪循環が起き、
「憂うつな気分」「気持ちが重い」といった抑うつ状態が長く続くというのが、
うつ病の代表的な症状です。
認定基準は、
1級
高度の気分、意欲・行動及び高度の思想障害の病相期があり、かつこれが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
2級
気分、意欲・行動及び思想障害の病相期があり、かつこれが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級
気分、意欲・行動及び思想障害の病相期があり、これが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
躁うつ病(双極性障害)
あるときは気分が落ち込み、あるときはハイになる状態を繰り返し、
「躁うつ病」とも呼ばれる双極性障害。躁状態とうつ状態を両極端に繰り返す状態です。
うつ病だと思いながら、極端に調子が良くなって活発になる時期がある場合は、
躁うつ病かもしれません。
躁状態になると眠らなくても活発に活動する、次々にアイディアが浮かぶ、
自分が偉い人間だと感じられる、大きな買い物やギャンブルなどで浪費する、
といった症状がみられます。
躁状態の時にとても気分が良く、本人には病気という自覚がありません。
統合失調症
統合失調症は100人に1人がかかるといわれており、心や考えがまとまりづらくなる病気で、
気分や行動、人間関係などに影響が出てきます。
特徴的な症状である「幻聴・幻覚」です。幻聴は、周りの人には聞こえない声が聞こえる、
中でも自分の悪口やうわさなどが聞こえてくるといった症状が表れます。
また独り言を言う、話が支離滅裂になる、人と関わらず一人でいることが多くなる、
意欲の低下、感情表現が少なくなるなどの症状もみられます。
1級
高度の残遺状態又は高度の病状があるため高度の人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験が著明なため、常時の援助が必要なもの
2級
残遺状態又は病状があるため人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるため、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級
残遺状態又は病状があり、人格変化の程度は著しくないが、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があり、労働が制限を受けるもの
精神遅滞(知的障害)
精神遅滞(知的障害)とは、一般的には、読み書き、計算など、
日常生活や学校生活を送るうえで、頭脳を使う知的行動に支障があることを指します。
幼少期に同年齢の幼児との交流がうまくいかなない
言葉に遅れがあったりする場合が多いです。
1級
知的障害があり、食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの
2級
知的障害があり、食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの
3級
知的障害があり、労働が著しい制限を受けるもの
自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害(自閉症スペクトラム・ASD)
典型的には1歳を過ぎた頃から、人の目を見ることが少ない、指さしをしない、他の子どもに関心がない、といった様子がみられます。保育所や幼稚園に入ると、一人遊びが多く集団行動が苦手で、自分が話したいことしか口にしない場合もあります。
一方、好きなこと、興味のあることには何時間でも熱中するなど、対人関係やコミュニケーションの障害、興味や行動の偏り・こだわりといった特徴が表れます。
注意欠陥多動性障害(ADHD)
7歳までに多動・衝動性、あるいは不注意、または、その両方の症状が表れます。
多動・衝動性の症状には、席を離れる、じっとしていられないなど、また、不注意の症状には、忘れ物や紛失が多いなどがあります。
学習障害(LD)
全般的な知的発達には問題がないのに、読む・書く・計算するなど特定の事柄だけが難しい状態を指し、成績や日常生活に困難が生じます。
高次脳機能障害
高次脳機能障害とは、交通事故や脳卒中などで脳が損傷され、記憶や行動、言葉に障害が生じる病気で、次のような症状が出ることあります。
記憶障害
物の置き場所を忘れる。新しい出来事を覚えられない。同じことを繰り返し質問する。
注意障害
ぼんやりしていて、ミスが多い。二つのことを同時に行うと混乱する。作業を長く続けられない。
遂行機能障害
自分で計画を立てて物事を実行することができない。人に指示してもらわないと何もできない。
約束の時間に遅れる。
社会的行動障害
興奮する、暴力を振るう。思いどおりにならないと大声を出す。自己中心的になる
てんかん
てんかんは、突然意識を失い、全身のけいれんを起こしたり、幻覚や恐怖感などの
精神症状も見られます。
原因が不明で小児期に発症しますが、成人期以降では頭部外傷や脳血管障害などの
器質的原因で発症するケースが多いといわれます。
てんかん発作は、脳の一部の神経細胞が、突然一時的に異常な電気活動を
起こすことにより生じますが、症状は基本的に一過性で、発作終了後は
元どおりの状態に回復することが特徴です。
てんかんは、原因不明の「突発性てんかん」と、頭部外傷、脳卒中、脳腫瘍、
アルツハイマー病など原因が明らかな「症候性てんかん」に分けられます。
強迫性障害
(うつ症状など併発している場合は対象、この傷病の診断では年金の対象ではない)
迫性障害とは、強い不安やこだわりによって、日常に支障が出る病気で、
強迫観念と強迫行為の二つの症状があります。
強迫観念……頭から離れない考えのこと。その内容が不合理だとわかっていても
頭から追い払うことができない。
強迫行為……強迫観念から生まれた不安にかきたてられて行う行為のこと。
自分でも、やりすぎ、無意味とわかっていてもやめられない。
〈代表例〉
過剰な手洗い、入浴、洗濯を繰り返す
ドアノブや手すりなどを触れない
誰かに危害を加えたかもしれないという不安が心を離れない
戸締り、ガス栓、電気器具のスイッチを過剰に確認する
自分で決めた手順で物事を行わないと、恐ろしいことが起きるという不安から、
いつも同じ方法で仕事や家事をする
不吉な数字・幸運な数字に縁起をかつぐことに度を超えてこだわる
物の配置にこだわりがあり、必ずそうなっていないと不安になる
自身が障害年金に該当するか気になる方や、障害年金の申請について悩みや疑問がある方は問い合わせください。
障害年金の対象となる傷病・障害等級
障害年金の対象となる主な傷病
障害年金の対象となる主な傷病 | |
眼 | ぶどう膜炎、緑内障(ベーチェット病によるものも含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜剥離、腎性網膜症、糖尿病網膜症など |
聴覚、平衡機能 | 感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害など |
鼻腔・口腔 言語 | 外傷性鼻科疾患、上顎癌、上顎腫瘍、咽頭腫瘍、咽頭全摘出手術、 失語症、脳血栓(言語)など |
肢体の疾患 | 事故によるケガ(人口骨頭など)、人工関節、変形性肢関節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、脳血管障害、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、 関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、強直性脊髄炎、脊髄の器質障害、ポストポリオ症候群、繊維筋痛症など |
精神疾患 | うつ病、双極性障害、統合失調症、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマーなど |
呼吸器疾患 | 気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など |
循環器疾患 | 心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など |
腎疾患 | 慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、人工透析など |
肝疾患 | 肝炎、肝硬変、肝がんなど |
糖尿病 | 糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、など糖尿病性と明示された全ての合併症など |
血液 | 再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫斑病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、HIV感染症など |
その他 | 人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳髄膜液減少症、悪性高血圧、その他難病など |
この他にも障害年金の対象となる傷病はあります。ご不明な場合は、お気軽にお問い合わせください。
障害年金受給事例
・脳出血・脳梗塞
・パーキンソン病
・多発性硬化症
・脊髄損傷
・股関節症など
・人工透析
・肝硬変
・クローン病
・糖尿病
・慢性疲労症候群など
・心疾患
・視力障害
・視野障害
・難聴
・言語障害など
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・うつ病・てんかん
・躁うつ病
・統合失調症
・精神遅滞・発達障害
・高次脳機能障害など