呼吸器疾患

疾病により認定基準が設けられています。
また、あわせて日常生活の状態が

1級

1級
身体の機能の障害又は長期にわたり安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度の方

2級

身体の機能の障害又は長期にわたり安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度の方

3級

身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有する方

が対象となります。

また、胸部X線所見、動脈血ガス分析値等の検査成績が判断対象になります。

間質性肺炎

肺を支える組織である間質に炎症が起こった状態です。炎症が進むにつれて間質が厚く、硬くなり肺の動きが悪くなってしまいます。初期の症状は咳や運動時の呼吸困難などですが、進行するにしたがって安静時にも息が切れるようになります。「在宅酸素療法」を長時間行っている場合、障害年金の対象となる場合がございます。

気管支喘息

気管が慢性的に炎症を起こし、何らかの刺激が加わった時に種々の程度で細くなり、呼吸困難、咳、喘鳴といった症状が発作性に発生する病気です。
発作性に呼吸困難や喘鳴、咳を認める、特に一日のうちで夜間から早朝に症状が悪化するのが特徴です。

肺結核

結核菌という細菌が肺に感染して起こる病気です。肺以外にもリンパ節、腸、骨などにも感染します。肺結核は人から人に感染します。
咳、たん、血たん、だるさ、発熱、寝汗、体重減少などの症状が出ることがあります。

1級

認定の時期前6月以内に常時排菌があり、胸部X線所見が日本結核病学会病型分類(以下「学会分類」)のⅠ型(広汎空洞型)又はⅡ型(非広汎空洞型)、Ⅲ型(不安定非空洞型)で病巣の拡がりが3(大)であるもの

2級

認定の時期前6月以内に排菌がなく、学会分類のⅠ型若しくはⅡ型又はⅢ型で病巣の拡がりが3(大)であるもの
認定の時期前6月以内に排菌があり、学会分類のⅢ型で病巣の拡がりが1(小)又は2(中)であるもの

3級

認定の時期前6月以内に排菌がなく、学会分類のⅠ型若しくはⅡ型又はⅢ型で、積極的な抗結核薬による化学療法を施行しているもの
認定の時期前6月以内に排菌があり、学会分類Ⅳ型であるもの

じん肺

小さな土ぼこりや金属の粒などの無機物または鉱物性の粉じんの発生する環境で仕事をしている方が、その粉じんを長い年月にわたって多量に吸い込むことで、肺の組織が線維化し、硬くなって弾力性を失ってしまった病気です。
初期症状は息切れ・咳・痰が増えるなどですが、進行すると肺の組織が壊され、呼吸困難を引き起こします。また、気管支炎、肺がん、気胸などの合併症にかかりやすくなります。

1級、2級

胸部X線所見がじん肺法の分類の第4型であり、大陰影の大きさが1側の肺野の1/3以上のもの

3級

胸部X線所見がじん肺法の分類の第3型のもの

また、じん肺法の分類については、

第3型

両肺野にじん肺による粒状影又は不整形陰影が極めて多数あり、かつ、大陰影がないと認められるもの

第4型

大陰影があると認められるもの

呼吸不全

血液中の酸素レベルが危険なほど低くなったり、血液中の二酸化炭素濃度が危険なほど高くなったりする病気です。
激しい息切れ、皮膚の青みがかった変色、錯乱または眠気などの症状がみられることがあります。

呼吸不全の認定基準は、

  • ・動脈血分析値(動脈血O₂分圧、動脈血CO₂分圧)
  • ・予測肺活量1秒率

の検査成績と、症状が日常生活にどのような影響を与えているのかの2つの項目を組合せて、障害年金に該当するのか判断されます。

軽度異常中等度異常高度異常
動脈血O₂分圧(Torr)70~61 60~5655以下
動脈血CO₂分圧(Torr)46~5051~5960以上
予測肺活量1秒率(%)40~3130~2120以下

自身が障害年金に該当するか気になる方や、障害年金の申請について悩みや疑問がある方は問い合わせください。

障害年金の対象となる傷病・障害等級

障害年金の対象となる主な傷病
ぶどう膜炎、緑内障(ベーチェット病によるものも含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜剥離、腎性網膜症、糖尿病網膜症など
聴覚、平衡機能感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害など
鼻腔・口腔 言語外傷性鼻科疾患、上顎癌、上顎腫瘍、咽頭腫瘍、咽頭全摘出手術、 失語症、脳血栓(言語)など
肢体の疾患事故によるケガ(人口骨頭など)、人工関節、変形性肢関節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、脳血管障害、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、 関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、強直性脊髄炎、脊髄の器質障害、ポストポリオ症候群、繊維筋痛症など
精神疾患うつ病、双極性障害、統合失調症、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマーなど
呼吸器疾患気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など
循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など
腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、人工透析など
肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、など糖尿病性と明示された全ての合併症など
血液再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫斑病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、HIV感染症など
その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳髄膜液減少症、悪性高血圧、その他難病など

この他にも障害年金の対象となる傷病はあります。ご不明な場合は、お気軽にお問い合わせください。 

障害年金受給事例

精神疾患の受給事例

精神疾患の受給事例

・うつ病・てんかん
・躁うつ病
・統合失調症
・精神遅滞・発達障害
・高次脳機能障害など

肢体障害の受給事例

肢体障害の受給事例

・脳出血・脳梗塞
・パーキンソン病
・多発性硬化症
・脊髄損傷
・股関節症など

内臓・難病の受給事例

内臓・難病の受給事例

・人工透析
・肝硬変
・クローン病
・糖尿病
・慢性疲労症候群など

心疾患・眼・耳の受給事例

心疾患・眼・耳の受給事例

・心疾患
・視力障害
・視野障害
・難聴
・言語障害など